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Intellex Forum︱東京、温故知新さんぽ。︱

階段の上から夕日に染まる商店街を眺める「夕焼けだんだん」。谷根千を象徴する風景

情緒が宿る谷根千の路地。

東京2020オリンピックの開催を目前に、世界から注目が集まる街・TOKYO。渋谷や銀座など都心の繁華街には毎日のように多くの外国人観光客が訪れますが、浅草や上野といった下町情緒の残るエリアも人気です。そんななか思わずぶらりと散歩したくなる街といえば通称「谷根千」と呼ばれる谷中・根津・千駄木。文京区から台東区一帯のこのエリアは戦災から免れ、大規模な開発も行われなかったため今なお昔ながらの街並みが残されています。ちょいと耳を傾ければ隣家の話し声が漏れ聞こえてきそうな長屋や、現代風にリノベーションされた渋い古民家。軒先に植木鉢が並べられた住宅が密集した路地をくねくねと行けば、どこからか感じる視線。ふと目を上げれば、塀の上の猫と目が合います。

ディープな下町を堪能、根岸・入谷。

一方その東側の鶯谷(根岸・入谷)エリアは、正岡子規など文人墨客も多く住んだ風雅な地。老舗の煎餅店など懐かしい建物が点在しており、「恐れ入りやの鬼子母神」で有名な入谷鬼子母神界隈の朝顔市も有名です。ここにオープンしたホテル「LANDABOUT」からは、東京最古の七福神といわれる「谷中七福神巡り」や、マニアックな観光スポットを巡る「下谷七福神巡り」も同時に楽しめそう。さらに桜の名所「上野恩賜公園」をはじめ、世界文化遺産に登録された国立西洋美術館や国立科学博物館といった文化施設が立ち並ぶ上野界隈もすぐそこ。外国人のみならず国内の若いアーティストもいま熱い視線を送る下町界隈。ここで温故知新を楽しむディープな散策はいかがでしょう?

例年7月上旬に開催される「入谷の朝顔まつり」。同時期には「浅草寺のほおずき市」も Illustlation : Kikue Tamura