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測れない明日。

測るの物語 -第10回-

自分にとって「測る」ことは、人と人との関係性に思いを巡らせることなのだと内山は言う。仕入れ営業という彼の業務においては、先ず顧客である仲介会社の思いを「測る」こと。担当者の性格や、仕事における考え方、社内でのポジション。バックボーンを的確に捉え、相手の胸元に入り込む。そこで自らをどう売り込んでいくのか。収益を睨みながら、ライバル会社に先手を打つ。リスクを鑑み、あらゆる問答を想定して挑む。恵まれた体格と精悍なルックスは、「初対面のお客さんに怖がられることもあります」と笑うが、仕事をまめまめしくこなすことでそのギャップさえも営業に活かすというのだから抜け目ない。気がつけば、営業成績で何度もトップを獲るまで昇りつめた。 2020年、インテリックスの新店が東京駅周辺に誕生する。都内城東エリアや千葉・埼玉エリアの仕入れを再強化する拠点となるその新店準備室長に抜擢された内山。そこでも、人と人との関係を「測る」をことから検討が始まった。 「新店は、3名の営業スタッフとともにスタートします。自分と性格が真逆で、見えないところをフォローしてくれる頭川。物怖じせずコミュニケーション能力が高い2年目の遠藤。天然でちょっと抜けているところがあるけれど可能性を非常に感じる営業1年目の田中。一緒にいてお互いをカバーでき、かつ一丸となって盛り上がることができるスタッフとともに門出を迎えます」。 新店では、フットワークを活かして新しいことにも挑戦したいと内山は言う。 「たとえば、人生において誰もが気軽に何度もリノベーションができるようなサービスの仕組みであるとか、他社とコラボレーションした新たな商品開発。今までのインテリックスの概念にとらわれない斬新な提案を打ち出していきたい。それが軌道にのって、ほかの店舗や本社にフィードバックできると理想的ですね」。 そんな未来を想い描きながら、内山はこうも付け足す。 「『測れない店』をつくりたい。みんなが、きっとこうだろうと思っている想定をはみ出すような─そんな大胆なチャレンジができれば最高だと思っています。だって、これから大変なことが多いんだから、ちょっとぐらいワクワクすることがないと、ね」。

Illustlation : Toshimasa Yasumitsu