私たちインテリックスは、中古マンションにリノベーションを施すことで新たな付加価値をもたせて供給しています。「空間思考」では、私たちが手がけたリノベーションプランをご紹介。設計担当者の思いにフォーカスします。 今回ご紹介するのは、あるリゾートエリアに建つマンションのリノベーション事例。特別な立地ならではのライフスタイルを叶えるプランニングをご紹介します。
対象マンション
南国リゾートのようなロケーションに建つ築40年のマンションが今回のリノベーション物件です。
テーマは、贅沢な時を過ごす
ウィークエンド・リゾート。
広いバルコニーから見えるのは、パームツリーとヨットハーバー。築40年にもなる、神奈川県逗子市の中古リゾートマンションをインテリックスがリノベーションしました。都心から車で1時間弱というアクセスにあって、富士山や江ノ島を一望できる開放的な海沿いのロケーション。敷地内はレストランやプール、結婚式場なども備える一大リゾートエリアです。だからこそ、「どんなお客さまが、ここに何を求めてやってくるのか」。その答えはおのずと導き出されたと担当した設計スタッフは話します。そう、今回のリノベーションのテーマはズバリ「富裕層のウィークエンド・ハウス」です。
「部屋の大きさは約78㎡。通常であれば3LDKから4LDK相当の間取りになります。しかし、セカンドハウスとして使用されるであろうそのマンションに、果たしてそれだけの部屋数が必要なのか？そんな問いから今回のプランニングは始まりました」。
そして社内でミーティングを行い、設定したのはこんなストーリー。
“ 仕事を引退して、週末にはのんびりと趣味のヨットを楽しんでいるシニアの夫婦。同じ趣味を持つ友人らとともにクルージングした後、部屋でいっしょにお酒を飲みながら心ゆくまで語り合う。夜が更ける頃に友人らが帰り、「疲れたから、このまま僕たちはここに泊まろうか」と言って、夫婦水入らずの静かな時を過ごす。”
「そんな贅沢な時間と空間の使い方ができるマンションをつくろう」。 リノベーションはそのようにしてスタートしました。
【Before】 リノベーション前のマンションのLDKには絨毯が敷かれ、ミニキッチンが設置されていました。
非日常感を演出する、
リゾートライクな設えを。
「予算オーバーしても、いいものをつくりたい」。担当者がそう考えたのは、普段から上質なものを見慣れているターゲットの眼にかなうものを提案しなければ、リノベーションマンションとしての価値を生み出すことができないと思ったから。決められた予算を守ることが大切とはいえ、その枠組みに縛られるあまり、ミスマッチなものを供給してしまっては本末転倒。そんな考えのもと、さまざまな空間提案を行いました。
もともと広く取られていたLDK、居室、収納、水回りのレイアウトは大きく変えずに、和室を洋室に、押入をウォークインクローゼットにリノベーション。マリンスポーツのかさばるグッズもなども余裕で収納できる広さを確保しました。さらに各設備を現代的な仕様にグレードアップ。エントランス、廊下、洗面室に敷き詰めた石目調のタイルは高級感を演出するだけでなく、水に濡れても問題のない機能性に配慮。約20畳のLDKに入ると一転、濃いウォールナットの木目調のフローリングが上質な寛ぎへと誘います。 また作業スペースが広くとれるL字型のキッチンは、マリンスポーツを終えた後、自宅で開くちょっとしたパーティーを想定した仕様です。
照明は全居室にダウンライトを採用しました。室内のムードを演出するのに重要な照明計画。一般的には中央に配置する廊下のライトを壁側に寄せたのは、壁面に絵画などを飾った際のスポットライト効果を狙って。これも富裕層のライフスタイルに合わせたリノベーションの空間提案です。
「光の陰影がつくる空間の表情を楽しんでほしいと思いました。通常のマンションリノベーションであれば、そういった提案はあまり行いません。だけどここは、リゾートに訪れた人のための空間。非日常感をくすぐる遊び心をできるだけ盛り込んでいきたいと思ったんです」。
そんな提案は水回りにも。「一流ホテルのバスルームであびるような、たっぷりとしたオーバーヘッドシャワー。その心地よさが味わえる『アクアタワー』という新商品を浴室に採用しました。デザイン性も高く、この部屋のバスルームにも調和する。どうしてもこれを採用したかったので、上司を説得して導入に踏み切りました（笑）」。
そうしてできあがった、海辺のロケーションにマッチした寛ぎのウィークエンド・ハウス。スタッフの創意工夫と、熱い思いが詰まった「リゾート・リノベーションマンション」の誕生です。
リノベーション完成
【リビング】明るい光が差し込むLDK。リゾートマンションらしいリノベーションで、ゆとりの住空間が完成しました。
【リビング】様々な使い方ができる約20帖のゆとりあるLDK。ウォールナットの木目調の床材が上質な空間を演出しています。
【リビング】壁面に床と色調を合わせたローユニットを造作。大型テレビも楽に置ける仕様に。壁にはタイルを貼り空間に表情を創出。
【洋室】和室を洋室に変更し、かつて押入だったスペースをゆとりあるウォークインクローゼットにしたリノベーション。
【玄関】明るい光が差し込むエントランス。シューズクロークの上部には、除湿・消臭効果のある壁材を採用。
【キッチン】ワークトップをL字型に配置したキッチン。作業動線が短く、2名以上キッチンに立っても動きやすい。
【キッチン】キッチン横にはステンレスのカウンターを造作。奥行きがあり、炊飯器やオーブン等の調理器具も楽に置くことができます。
【浴室】1418サイズのゆったりとした浴室。オーバーヘッドシャワー機能のついたシステムバスルームで、バスタイムをより心地よく。
プランを読む
もともとリゾートマンションとして分譲されたので、ゆったりとした1LDKの当物件。約40年前のマンションなので、つくりの古さは否めませんでした。今回のリノベーションでは、設備仕様を一新。リゾートライクな開放感は残しつつ、現代の快適性を備えた上質な空間に生まれ変わりました。
