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リースバックとリバースモーゲージの違いを徹底解説

ご自宅等の不動産を活用して生活資金を確保する方法として、「リースバック」と「リバースモーゲージ」が注目されています。本記事では、この2つの違いを徹底解説します。(最終更新:2021年1月12日)

コロナ禍で様々な政府助成金の拠出拡大が進められておりますが、先々が見えない中、十分に安心できる状況ではないのが実態のところと存じます。
今後、自助的な生活資金の確保は益々重要性を増してくることは間違いなさそうです。

そのような社会背景の中、「リースバック」と「リバースモーゲージ」は、共に自宅等の不動産を活用した資金調達の手段として活用されております。両者の特徴やメリット・デメリットをご参照いただき、お客様の状況に応じて照らし合わせて頂くことにより、将来の必要資金確保の検討の一助として頂ければ幸いです。

リースバックとリバースモーゲージの概要

リースバックとは?

リースバックは自宅を売っても住み続けられるサービスです。ご自宅等を売却することにより資金をお手元にするとともに、その後は賃貸の形でお家賃をお支払い頂くことで、そのままお住い続けて頂けるサービスです。 従来は法人向けのサービスとして一部活用される場面もありましたが、一般個人のお客様を対象にサービスを提供する企業が出てきたためここ数年で知名度が上がりつつある注目されるサービスの一つです。不動産の「売却」と「賃貸」を組み合わせた一般的な不動産のお取引が基本となりますのでシンプルな仕組みですが、売却先=その後の大家さん となる点がある意味で画期的と言えるのではないでしょうか。

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージはご自宅を担保として金融機関等に提供し、担保の資産価値に応じて設定される「融資上限額」まで定期的にもしくは随時に金融機関等から融資を受けることができるサービスです。一般的には、ご所有者様がご逝去された後、土地建物を売却して一括返済に充てる形となります。仕組み自体は1980年台から存在しており、少子高齢化・財政赤字・年金制度の見直しなどからシニア層の生活資金の確保の方法として期待されて登場しました。自治体もしくは金融機関がシニア向けに提供しているサービスですが比較的制約が多いという側面もあるため、期待だけに終わらぬようにご自身に適用できるかを前もって調べておく必要があります。

「リースバック」と「リバースモーゲージ」の比較

リースバックとリバースモーゲージの比較を図と表で解説

リースバックは自宅を売却後そのまま賃貸借する不動産のお取引です。担保の設定や借入は無く、所有権は移転します。資金の使途に制約がなく活用しやすいという特徴があります。
リバースモーゲージは自宅を担保として提供し融資を受ける金融サービスです。所有権は移転しませんが、自宅の担保としての提供し借入する仕組みです。資金の使途に制約があり、生活費等としての利用に限定されます。

最も大きな違いは?不動産のお取引か、融資か。

リースバックは「売却」と「賃貸」を組合せた不動産取引です。リースバックはご自宅等を売却しますのでの所有権が買受けたサービス提供会社に移転します。所有権が移ることで売却より資金を一括で受け取ることが可能です。その後は「定期建物賃貸借契約」という賃貸契約を結ぶことで賃貸として住み続ける事が可能なしくみです。

リバースモーゲージは自宅を担保とした「融資」をベースとした金融商品です。リバースモーゲージは所有権が移転しない代わりにご自宅を担保として提供し、融資を受ける形になります。融資である以上いずれ返済することになりますが、基本としては所有者が亡くなられたあと、担保を売却した資金が返済に充てられます。賃貸の期間は金利分の支払のみなので、支払うキャッシュは少なくなりますが、当然ながら借入枠の大小との兼ね合いで判断することになります。

端的に言い換えると、下記がもっとも大きな違いといえます。

「リースバック :売却と賃貸の組合せた不動産のお取引」
「リバースモーゲージ:自宅を担保に融資を受ける金融商品」

リースバックとリバースモーゲージのメリットデメリット詳細図

  ※2 売買条件が合意できた場合に限ります。

もう少し具体的に、両者を比較した違いを深掘りしたいと思います。

所有権の移転するタイミングが異なる

リースバックは自宅等を売却しますので、所有権が移転するタイミングは今時点という事になります。自宅等の所有権が買受けるサービス提供会社に移転し、所有権の移転により売却代金を一括で受取る事が可能です。 

リバースモーゲージは自宅を担保として融資を受けるサービスです。ご契約時点では所有権は移転しませんが、ご所有者様がお亡くなりになった後に最終的には売却する形となりますので、所有権が移転するタイミングはご所有者様がお亡くなりになる未来という事になります。

ですので、リースバックもリバースモーゲージも、基本的には最終的に所有権が移転する事という点では同じです。違いは、リースバックは所有権が移転するのは「今」であり、リバースモーゲージは「未来」であるという違いなのです。

資金を一括で受取るか、除々に受取るか、に違いがある

リースバックは、ご契約時点でサービス提供会社がお客様のご資産を買い受けますので売却代金が一括でお客様に支払われることがメリットの一つです。そのような特徴から、一定期間お住いの後、将来に転居・ケアハウスへのご入居を検討されている方にとっては使い勝手の良いサービスとなっています。ご自宅の売却が既に済んでおりますので、転居のタイミングで慌てて売り急ぐといったことが無い点で安心感があります。

一方でリバースモーゲージは、ご自宅を担保として借入枠を上限として、年金の形で除々に融資を受ける仕組みです。オーナー様がお亡くなりになった後、担保設定しているご自宅を売却し、その売却代金からローン返済に充てる形となります。金融機関側の貸し手側からの見方としては、将来に不動産を売却する形になりますので、不動産担保価値の変動を織り込んだ金額で「借入枠」を設定します。ですので、借入枠は若干保守的な金額になる傾向が考えられます。

リースバックとリバースモーゲージのメリット

リースバックのメリットはサービスを利用できる不動産の幅が広いことです。個人が所有している戸建やマンションのお部屋(区分)でご活用頂けるだけではなく、法人様が所有している工場や事務所、駐車場や一棟ビルなど、幅広い不動産でサービスを活用できます。また売却で得た資金の用途に制約がないため、住宅ローンの残債を返済、ご家族の学費、相続税の納税資金、リフォームの資金、事業の運転資金等、ご希望の用途に活用できることも大きなメリットです。

リバースモーゲージのメリットは、サービスの利用している期間は借入れの元本の返済は必要なく、利息の支払いのみを行えば良いため、心理的な面やキャッシュフローとしては比較的負担が軽いという点が挙げられます。また、サービスを提供している主体が銀行等の金融機関や自治体であり信頼感があることもメリットの一つです。

リースバックとリバースモーゲージのデメリット

リースバックのデメリットの一つに、自宅を売却することにより自宅の所有権がリースバック事業者にいま時点で移転することが挙げられます。ですので、所有権を今時点で手放したくない方は選択しにくい可能性があります。(注:リバースモーゲージも、借入を返済しなければ、将来的には所有権は移転する形になります。)一方で、売却により所有権が移転すると同時に、資金を一括で受け取ることが出来るというメリットもありますので、天秤にかけて検討する形になります。また対象と出来る不動産の幅はリースバックの方が広いとはいえ、建物の管理上の観点等からすべてのご自宅をリースバックできるわけではありませんので、サービス提供会社に自宅をリースバックできるかを事前に確認しておくことが必要です。

リバースモーゲージのデメリットとして、資金の使途が生活費やリフォーム等に限られること、物件の制約が比較的多いこと、同居人・相続人の状況によって適用できないケースがあることが挙げられます。具体的には、「年齢が55才前後以上であること」や「お子様と同居されている場合には利用不可」となるケースや、「ご自宅所有者の推定相続人の全員の同意が必要」などです。その他、対象とできる不動産は基本としてはお住まいになっているご自宅が対象となります。また評価額の最低金額が定められている場合も多いのが一般的です。従来ではマンションの一室(区分)を対象とできない傾向がありましたが、最近は対象とできる商品が増えつつあります。リバースモーゲージの場合、「適用できる地域」が都市圏に限定されるなど、地域による制約が厳しい場合が多い傾向にあります。

何れにしても、いざサービスを利用したい場面が訪れた際に、検討を進めてみたら実際には使えなかった。。。ということが無いように、活用できる可能性が有るか否かを事前に確認しておくことは重要なポイントになります。

 まとめ

上記の通り、似て非なる性質をもったサービスであることをご理解頂けましたでしょうか?ポイントとしては、リースバックとリバースモーゲージの何れの場合でも、活用できる資金には限度がありますので、リースバックの場合には売却金額と家賃を、リバースモーゲージの場合には各種制約、借入枠と金利を予め見積り、将来の収支計画を見通しておくことが重要になります。

ご注意頂きたいのは、こちらに記載しております「リースバック」や「リバースモーゲージ」の特徴は、一般的なものですので、提供される各社によって条件が異なりますので、詳細はサービス提供会社にご確認ください。

一例として、「リースバック」の場合、提供会社様によっては、賃貸借でお住いが可能な期間が2~3年間までといった形で限定される場合があります。「リバースモーゲージ」の場合「融資上限額」まで借入可能な点は同じでも、年金の形で毎年受取るタイプの他、一括での受取が選択可能な場合もあります。

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この記事を書いた人:平城智隆(ひらじょう ともたか)

株式会社インテリックス リースバック事業部 に所属。 サービス・商品と紐づく業務の企画設計を主に担当しています。
得意なジャンルはリースバック・不動産小口化・テクノロジー。読書と旅行が趣味。経験に基づいた記事で読者に信頼性の高い情報を提供すべく日々奮闘中。不動産証券化マスター・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・貸金業務取扱主任者。

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