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不動産小口化商品とは vol.1

不動産投資というと、ローンを組んで投資物件を購入しなければならず、なかなか気軽に始められないと考えている人も少なくありません。しかし同じ不動産投資でも、少額から始められる投資商品があります。それが不動産小口化商品です。

今回は、あまり知られていない不動産小口化商品について、そのメリットや種類、同じ不動産に関する投資商品であるREITとの違いなどを紹介します。

不動産小口化商品とは

不動産小口化商品とはその名のとおり、不動産を小口化した投資商品です。不動産小口化商品を使えば、例えば10億円するAというビルを1000口に分け、1口100万円で投資家が購入することができ、不動産を投資運用して得た家賃収入や売却益は口数に応じて投資家に分配されます。

何口買うかは投資家が決めることができるため、高額の投資を行うこともできますし、1口だけ購入して安く投資を始めることもできます。中には1口1万円という安価から始められる不動産小口化商品も登場しており、気軽に始められる不動産投資として注目を浴びています。

この不動産小口化商品を販売する事業のことを「不動産特定共同事業」と呼び、法律によっていろいろな規制がされています。

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不動産特定共同事業とは

不動産小口化商品を販売したり、販売契約を仲介・媒介する事業を行うことを不動産特定共同事業と呼びますが、不動産特定共同事業の歴史はそう古くはありません。

1995年に施行された「不動産特定共同事業法」という法律で不動産特定共同事業の定義がなされましたが、その背景にはバブルの崩壊がありました。

不動産特定共同事業の歴史

不動産小口化商品がブームを迎えたのは、1980年代後半のまさにまさにバブルの時期でした。

バブル景気によって不動産の価格が急騰し、不動産投資で収益を上げたいと考える資産家が増加しました。ただ、個人では何十億、何百億もするような不動産に投資することは不可能なため、1つの不動産を複数人で購入する不動産小口化商品がブームとなったのです。

やがてバブルがはじけ、不動産の価値が暴落します。投資会社が相次ぎ倒産し、不動産投資家たちも甚大な被害を被りました。もちろん不動産小口化商品に投資した人も例外ではありません。こうした反省をもとに、1995年に不動産特定共同事業法が施行されることとなりました。

本法によって、事業について情報公開をすることや、契約の際には投資家を保護するための条項を入れなければならないなど、多くの義務が課されることとなりました。最も大きな影響が、不動産小口化商品の販売が許可制になったことです。

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不動産特定共同事業の許可要件とは

不動産特定共同事業は許可制となっており、資本金などの要件が定められました。

既存の不動産特定共同事業を行う場合
・資本金1億円以上(契約締結の代理・媒介を行う事業者については資本金が1,000万円以上)
・宅地建物取引業の免許を取得していること
・財産的基礎が良好であり、適確に事業を遂行できる人材構成があること
・事務所ごとに業務管理者を配置すること


2017年の法改正では、全国的に空き家が増えていることや、地方にある不動産を市場に戻す必要性などの問題を改善するため、出資額の上限が100万円、出資総額は1億円を超えない「小規模不動産特定共同事業」が創設されました。

小規模不動産特定共同事業者においては、以下の要件が求められています。

・資本金1,000万円以上
・宅地建物取引業の免許を取得していること
・純資産≧(資本金又は出資の額×90/100)

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不動産小口化商品の主な3つの種類

不動産小口化商品は、主に「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸型」 の3つの種類に分かれています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

任意組合型

任意組合型は、まず投資家と事業者が任意組合を組成し、その組合が不動産投資を行うというものです。

投資家は事業者から不動産の持分を購入し、運用により出た収益を事業者から組合員に分配します。事業者は業務執行組合員として不動産を運用し、その対価として理事長報酬を受け取る形で収益を得ます。

投資家は不動産を所有することができますが、自分の名前で不動産登記ができるかどうかは、そのスキームが「現物出資型」なのか「金銭出資型」なのかによって異なります。

現物出資型の特徴

現物出資型のスキームでは、投資家は事業者から不動産の持分を購入した後、その持分(現物)を組合に出資します。この場合、投資家は事業主から不動産を購入した際に不動産所有権移転登記を行い、さらに組合に現物出資したときに現物出資の登記を行うことになります。

自分の名前で不動産の登記ができるため、投資家にとっては不動産を所有していることを第三者にも示すことができるというメリットがあります。しかしその一方で、登記をするために登録免許税などの初期費用がかかる点がデメリットです。

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*上記はスキーム図の一例です。事業者や商品によって異なる場合があります。

金銭出資型の特徴

金銭出資型では、投資家は組合に対して金銭を出資します。不動産は組合の共有財産であることに変わりはありませんが、不動産登記は組合の業務執行組合員である事業者が代表して行います。そのため、投資家は持分について不動産登記はできません。

事業者が売主の場合、登記にかかる費用や手間が不要になる点がメリットとして挙げられるほか、投資家名簿などによって不動産を所有していることを証明できるため、現物出資型と比べてリスクが大きいということもありません。

スキーム図(任意組合金銭出資).png

*上記はスキーム図の一例です。事業者や商品によって異なる場合があります。

匿名組合型

投資家が組合を組成して投資を行うもうひとつのスタイルに、匿名組合型があります。匿名組合型も任意組合型と同じく、不動産の運営によって出た収益が組合員に分配される仕組みです。

匿名組合型の大きな特徴は、組合員に不動産の所有権がないことです。任意組合型の場合は、事業者も組合の一員として不動産投資を行う、いわば投資家と共同事業を行う形でした。しかし匿名組合型の場合は、事業者と投資家は共同事業を行うのではなく、事業者の単独事業に組合員が出資するという形になるのです。

投資家は不動産の所有権を持たないため、不動産の所有権登記は事業者の名前となります。不動産の投資は行っていても登記上では名前が載らないという意味で匿名性があります。

また、もしも元金割れリスクが一定額に達したときには、事業者よりも投資家に優先して資金を返還する「優先劣後出資」のシステムを導入している事業者も多く、安定した投資を行いたい人には向いているスキームと言えます。

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*上記はスキーム図の一例です。事業者や商品によって異なる場合があります。

賃貸型

不動産小口化商品のもう1つのスタイルが賃貸型です。

賃貸型も任意組合型と同じく、投資家が不動産の持分を購入します。その後、事業者と賃貸借契約を結んで家賃収入を得、不動産を売却したときには売却益を受け取る仕組みです。

中には、事業者に対して直接賃貸借契約ではなく業務委託契約を結んで、事業者が第三者に物件を賃貸するスキームもあります。

賃貸型では、賃料保証など元本割れリスクを少なく抑える取り組みを行っている事業者もあり、こちらも安定して運用したい人には向いている投資方法です。

不動産小口化商品の種類による違い

任意組合型・匿名組合型・賃貸型にはそれぞれ特徴がありますが、特に大きく違うのが、適用される税制や損失が出たときに負うリスクの度合いです。

元本以上の損失を負うリスクの違い

投資は出資した元本以上のリターンを期待して行うものではありますが、時として損失が出ることもあり、投資した元本が返ってくる保証はありません。これは、不動産小口化商品においても同じです。

匿名組合型の場合は、投資にかかわる事業者という立ち位置ではなくあくまで「事業者の投資を支援する」といったスタンスです。そのため、どんなに今回の投資で損失が出たとしても、出資した元本以上に損をすることはありません。

一方、任意組合型の場合は、事業主と同じ組合員として投資運用を行うことになります。そのため、万が一大きな損失が出てしまった場合、出資した元本以上に損失を被る可能性もあるのです。この点は大きな違いといえます。

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適用される税制の違い

また、不動産小口化商品の種類において適用される税制も異なります。不動産の持分を所有する任意組合型と賃貸型の場合は不動産税制が適用されるため、投資によって得た収益は不動産所得して扱われます。

一方、匿名組合型の場合は金融税制が適用され、投資によって得た収益は雑所得として扱われます。

出資単位の違い

任意組合型や賃貸型は、不動産税制が適用となるとお伝えしました。後ほど詳しく述べますが、任意組合型や賃貸型は不動産による節税効果が期待できるとして、相続や贈与のシーンで活用されることが多くなっています。

こうした背景もあり、任意組合や賃貸型は1口100万円以上のものが多く、投資期間も10年以上などの長期に設定されている商品が多いことが特徴です。

一方、匿名組合型の場合は1口数万円という少額から始められる商品が多く、投資期間も短い傾向があります。

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vol.2へつづく >>>vol.2はこちら




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この記事を書いた人

金子 千鶴代
ステラワークス代表・ライター。 商業施設や飲食業界などで10年近く経理・総務に従事し、2016年にライターとして独立。 「難しい制度や知識を誰でも簡単に身につけられる知識に変える」をモットーに、これまで法制度や行政、住宅や公的保険、投資などのコンテンツを数多く執筆。