トップメッセージ

両利きの経営の実践で、不動産市況変動に対するリスク低減と先行投資事業による収益性向上に挑戦

平素より格別のご支援を賜り、深く御礼申しあげます。

金融緩和による過剰流動性やウクライナ戦争に端を発したエネルギー・資材価格の高騰により不動産市場は資産インフレが続いております。不動産価格は、都心部を中心に急ピッチで上昇し、それが広いエリアに波及しております。

これに対し、住宅の一次取得者層は、物件価格が高くなり過ぎたことにより、ついていけない状況となっており、不動産取引が鈍るケースもみられ、住宅市場は多極化の色合いが更に色濃くなっています。

都心部の販売価格が上がり続ける一方で、首都圏における中古マンションの在庫数は昨年に比べ20%以上増加しています。エリア、物件毎で需給バランスが崩れ、今後は一次取得者層が物件を選ぶ際に、よりシビアになってくることが想定されます。

当社におきましては、前期の振り返りとして、物件販売価格の上昇と件数増により増収となったものの、原価アップを吸収しきれず減益となりました。

今期の重点方針として、既存事業の深化と新規事業による差別化の推進という“両利きの経営”を実践します。(詳細:IRピックアップ)

そこに経営資源を集中投下することで、不透明な市場に対する事業リスクの最小化と今後求められる市場や消費者ニーズに対応した商品やサービスを積極的に展開して参ります。

具体的には、主軸のリノベーション事業分野をさらに研ぎ澄ませ、事業回転と収益率を高めることで、資本効率を高めます。また、差別化戦略として、中古マンションの省エネ性能評価の可視化を業界に先駆けて実施し、また不動産を直接購入できるFLIE事業を推進することで、より直接的にお客様に経済的なメリットを提供してまいります。

当社は2023年5月末におけるプライム市場の上場維持基準の流通株式時価総額及び1日平均売買代金の項目が基準に達していないことから、7月14日にスタンダード市場への選択申請を決議いたしました。

市場変更をいたしますが、今後もリノベーション業界のフロントランナーとして経営ビジョン「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」を実現すべく更なる事業強化に努めるとともに、ガバナンス及びIR活動の充実を引き続き推進していくことにより、中長期視点での企業価値を高めてまいります。

代表取締役社長 俊成 誠司